桑野社会保険労務士事務所

割増賃金の正しい計算法


 割増賃金、そう残業代のことです。 1時間の単価に残業時間を掛ければ残業手当の額になる。 これくらいのことは誰でも知っています。
 ならば、1時間当たりの単価はどのようにして算出するのか、ご存じですか。 実は労働基準法などに決められていたんです。


割増賃金=1時間当たりの単価×割増率

1時間当たりの単価=1ヶ月の給与の額/1ヶ月の所定労働時間

通常は月によって所定労働時間は違いますから、1年間平均の1ヶ月所定労働時間を用います。 給与の額は、1ヶ月の所定労働日数を勤務したならば支給される給与・手当の合計です。
一般に次のものは含まれます。
  皆勤手当、食事手当、資格手当、運転手当、役職手当など
ただし、次のものは除外しても良いことになっています。
  家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、臨時給与、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる給与

1ヶ月平均の所定労働時間数
=1年間の所定労働日数×1日の所定労働時間/12ヶ月


 1年間の所定労働日数は、所定休日の日数の合計を1年(365日または366日)から引けばでます。 所定休日とは、カレンダーの赤い部分でなく、会社の社内カレンダーの休日です。 日曜、土曜だけでなく、祝日や年末年始、お盆、などの既に決まっている休日のことです。 就業規則のある会社ならば、(休日)の項にある休みのことを指します。
●よく間違いやすい事項
○1カ月平均の所定労働時間数は、毎年違うのが普通です。 土日の配置、祝日やうるう年の関係で変わってきます。
○切り捨て・切り上げは、従業員にとって有利になるようにしないといけません。 また割増率も、法律で25%(法定休日=1週に1回の休日、35%)の最低ラインが決められています。
○所定労働日数は、1カ月の日数から日曜日だけを除いたものではなく、また25日と決められているわけでもありません。 歴史のある会社では、給料÷25日÷所定労働時間=時間単価としているところが多いようですが、それは間違いです。


実際に計算してみましょう(例題)

基本給  300,000円  年間の所定休日 120日
職務手当 20,000円  1日の所定労働時間8時間
家族手当 15,000円  時間外賃金の割増率25%
通勤手当 10,000円
皆勤手当 10,000円

1ヶ月平均の所定労働時間数=(365日−120日)×8時間/12ヶ月
             =163.33時間/月

1ヶ月の給与の額(算定基礎額)=基本給+職務手当+皆勤手当
               =330,000円

1時間当たりの単価=330,000円/163.33時間
         =2,020.44円

1時間当たりの時間外手当=2,020.44円×1.25
(残業代の単価)    =2,525.55円
            =2526円 (円未満4捨5入、切り上げ可)

あなたの実際の給料で計算して下さい。 手当の名称は、異なっているのが普通ですので、例題と違う場合があります。 なお、端数処理の方法・時期によって多少の差は生じます。 残業代の単価に残業時間を掛ければ、残業代が出ましたね。

社会保険労務士は給与計算を行います。

賃金台帳は労働基準法で定められた事業所備え付けの法定帳簿です。
また、間違った給与計算を行うと労働基準法その他の法律により罰せられます。 主に「賃金の全額払い」の原則に反するからです。ご注意下さい。(C)KUWANO


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